ラケット感情 ~わかっちゃいるけどやめられない/第35回心理カウンセラー養成講座(2016/9/15開催)

こんにちは!

昨夜は中秋の名月でした。

お月見を楽しまれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そんな昨晩、はあと・ステーションでは「カウンセラー養成講座」を行いました。

お仕事の後にも関わらず参加してくださった皆さん、いつもありがとうございます(`・ω・´)ゞ

 

 

さて、今回は「ラケット感情」について勉強しました。

「ラケット感情」……聞きなれない言葉だと思います。

これは、交流分析の用語で、次のように定義されています。

 

『色々なストレス状況で経験される、なじみ深い感情であり、子供時代に学習・奨励されたもので、成人の問題解決の手段としては不適切なもの』

 

まだ少し分かりにくいかもしれませんね(-_-)

 

「ラケット感情」は、感情のようなもので…

①ストレス状況で経験される

②なじみ深い

③子供の頃に身に付け、使うように勧められてきた

④大人が使うには不適切

 

具体的な例を挙げて考えてみましょう!

 

Aさんは、昼休みにお弁当を買いに来ています。

美味しいと評判のお弁当屋さんで、会社から少し距離は離れていますが、今日はどうしても食べたくて足を延ばしました。

評判のお店だけあって、行列ができていましたが、せっかく来たのでAさんは並ぶことにしました。

「あと5分くらいで買えそうだし、公園でお弁当を食べてから会社に戻っても間に合いそう♪」

Aさんは、ルンルン気分で待っていましたが…

なんということでしょう!自分の前に並んでいた人が大量のお弁当を買い込み、売り切れてしまったではありませんか!

Aさんは、頭が真っ白になり、同時に激しい怒りが湧いてきて、店員さんを怒鳴りつけました。

「私の昼ご飯はどうしてくれるんだ!もっとたくさん用意しておいてよ!もう時間も無いじゃないか!」

 

 

同じような場面に遭遇した時、皆さんはどのように感じ、どんな反応をするでしょうか?

想像してみてください。

Aさんのように、怒りを感じ、その怒りを誰かにぶつける人もいるでしょう。

お弁当が買えなかったことが悲しくなり、泣きそうになってしまう人もいるでしょう。

中には「こんなところまでお弁当を買いに来た私がバカだった…」と、自分を責める人もいるかもしれません。

 

 

では、その後のAさんを見てみましょう。

Aさんは、店員さんに怒鳴り散らした後、心の中でこんなことをつぶやいていました。

「またやっちゃった…いつも怒っちゃうんだよなぁ」(罪悪感)

そして、その場を離れ、帰り道のコンビニでお弁当を買って急いで会社に戻りました。

 

 

こんな風にしてAさんが表した「怒り」や「罪悪感」が、「ラケット感情」です。

お弁当が買えなかった、時間がない…というストレスを感じる状況で「ラケット感情」を表出し、お目当てのお弁当も買えずに会社に戻ったのです。

気分は最悪、午後の仕事のモチベーションもがた落ちです。

 

 

日常の生活を送る中で、誰でもAさんと似たような経験はあるはずです。

そんな時に表れる「ラケット感情」は人それぞれ異なるものだと思いますが、それと同時にこんな言葉も頭によぎるかもしれません。

 

「どうしていつもいつもこんなこと(こんな思い)をしちゃうんだろう…」

 

そうなんです。

「ラケット感情」は、いつの間にか無意識に繰り返している、自分にとって“お馴染み”の存在なのです。

では、なぜ不快に感じるのに“お馴染み”になるまで繰り返してしまうのでしょうか?

その答えが、「子供時代」に隠されています。

 

 

先ほどのAさんの子供時代を振り返ってみましょう。

Aさんは幼い頃、近所の野良犬に追いかけられたことがありました。

怖かったAさんは、お母さんのところへ駆けていき、泣きながら助けを求めました。

そんな時、お母さんはこう言いました。

「それくらいのことで泣いていてどうするの。しっかりするんですよ。」

それを受けたAさんは、次のように心に書き留めました。

 

「怯えたり泣いたりしてもお母さんは守ってくれない。認めてもらえない。」

 

そして、お母さんに認めてもらうために、いろいろな方法を試してみます。

ある日、いつかの野良犬に出くわしたAさんは、野良犬に向かって大声で怒鳴りつけました。

それを見たお母さんは、「よくやったわね。追い払ってくれたのね。」と言いました。

この時、Aさんは発見したのです。

 

「なにかあった時は、怒鳴りつければお母さんが認めてくれるんだ!」

 

 

幼い頃にそんな経験をしたAさんは、大人になった今でも、ストレスを感じる状況で無意識のうちに怒鳴って「怒り」を表現しているのです。

これが、「ラケット感情」が“お馴染み”の存在となるメカニズムです。

「わかっちゃいるけどやめられない…」 それが「ラケット感情」なのです。

 

 

「ラケット感情」は、

①ストレス状況で経験される

②なじみ深い

③子供の頃に身に付け、使うように勧められてきた

④大人が使うには不適切

 

こんな特徴を持っていることが、お分かりいただけたのではないでしょうか(^^)/

 

 

最後に大切なお話を!

「ラケット感情」は“感情”という言葉で表現されていますが、より正確には「定型化された“思考”」と理解するとよいでしょう。

本物の感情を抑えつけて、愛情や承認を得るために使ってきたものが「ラケット感情」だからです。

その背後には、“本物の感情”が隠されているのです。

 

さらに、ここまでの話を振り返ってみると、「ラケット感情」はなんだか悪いもののように感じるかもしれません。

でも、そんなことはないんです!

幼い頃から「ラケット感情」を使うことで、両親や周囲の人たちからの愛情や承認を獲得してきたのです。

つまり、「ラケット感情」があなたを守ってきたのです。

ただ、大人になった“今”は必要ではなくなっただけなのです。

 

 

自分がどんな「ラケット感情」を抱きやすいのか…

まずは自分を知ることから始め、少しずつ不要なものを手放していくのが良いのかもしれませんね。

ご要望とあれば、私たちもお手伝いをすることは可能です。

お気軽にお問い合わせ下さいね(∩´∀`)∩

 

 


 

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