心理性的発達理論~心の足跡を探る/言語科学心療士養成講座(2017/2/16開催)

こんにちは!

昨夜は、第3回目の「言語科学心療士養成講座(上級クラス)」を開催しました。

参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

 

今回は、以下のテーマについて講義を行いました。

・精神分析と交流分析

・交流分析の理論「ストローク」

 

精神分析の中から「心理性的発達理論」についてお話ししましたので、ご紹介いたします。

 

 

【 心理性的発達理論とは?】

 

フロイトが提唱した発達に関する理論です。

子供の発達や人格の形成において、リビドー(性的欲動)が重要な役割を果たしていると考えます。

さらに、発達段階に合わせ、身体の特定の部位が敏感になり、そこから快感を得てリビドーを満たしていると考えます。

 

この発達段階の遷移は、『口唇期、肛門期、エディプス期(男根期)、潜伏期、性器期』の5段階に分けられます。

これらの心理性的発達段階が十分に満たされて成長すると、健康的な人格が形成されます。

一方で、特定の段階が満たされないままに成長すると、その段階への『固着』が起こります。

 

固着とは、心理性的にその段階に留まることを意味します。

例えば、口唇期に固着を持ったまま成長した人は、食事、飲酒、喫煙などの口唇の刺激を求め続けます。

さらには、乳児期のように、他人に対する過度な依存が表れることもあります。

 

以下、各発達段階について解説しましょう。

 

 

【心理性的発達理論の発達段階】

 

(1)口唇期(0歳~1歳頃)

 

口や唇の周辺の刺激から快感を得る時期です。

この時期の赤ちゃんは、主に口を通して外界との接触を図ります。

最も代表的な例は、母親からの授乳です。

授乳を通して母親との身体的接触が行われ、特に口唇からの刺激によって快感を得るのです。

赤ちゃんは母親に完全に依存しており、口唇への刺激を繰り返すことで、基本的な信頼感や安心感を獲得します。

口唇期の後半では、離乳という葛藤に直面し、親への依存を少しずつ減らしていく必要に迫られます。

 

◆ 固着すると…

・食事、飲酒、喫煙などの口唇の刺激を求め続ける

・爪を噛むクセが表れる

・依存的で受動的な性格になる

・幼児的な攻撃性を持った性格になる

 

 

(2)肛門期(1歳~3歳頃)

 

肛門に快感を得る時期です。

この時期の子供は、敏感になってくる胃腸や膀胱のコントロールに向きあうことになります。

トイレ訓練を繰り返すことで、身体的欲求を自分の力でコントロールすることを学びます。

子供は、コントロールに成功することで、達成感や自立した感覚を養います。

この段階が満たされたものとなるためには、親のトイレ訓練への関わり方が重要です。

適切に訓練を行い、成功した子供を褒めてあげることで、子供の自己肯定感や自立心が高まるのです。

一方で、親の関わりが不適切であった場合には、子供の人格形成にネガティブな結果をもたらします。

 

◆ 固着すると…

・トイレ訓練が許容的すぎた場合(失敗しても放置する等)→浪費的、破壊的な人格になる『肛門排出性人格』

・トイレ訓練が厳しすぎたり、開始が早すぎた場合 →几帳面、頑固、秩序に執着する人格になる『肛門保持性人格』

 

 

(3)エディプス期・男根期(3歳~6歳頃)

 

性器に関心が向く時期で、この時期のリビドーの中心は性器です。

子供は、男女の違いに気づき、異性の親を、同性の親からの愛情を横取りするライバルだと感じるようになります。

例えば…

<男の子の場合>

母親への親密さの欲求を抱き、父親に対する敵意が芽生えます。『エディプス・コンプレックス』

この時、そうした感情を抱くことを父親に罰せられるのでは?という不安も感じます。『去勢不安』

<女の子の場合>

父親への親密さの欲求を抱き、母親に対する敵意が芽生えます。『エレクトラ・コンプレックス』

この時、男性器への羨望や怒りを、無意識の内に抱くと考えられています。『ペニス羨望』

やがて、子供は、異性の親からの愛情を勝ち取る方法として、同性の親と同じようになろうと努めます。

 

◆ 固着すると…

・異性の親への歪んだ愛情を持ち、同性の親への根拠のない憎しみを持ったままになる

・男性性や女性性を十分に獲得できないままになる

 

 

(4)潜伏期(6歳頃~思春期まで)

 

リビドーの関心が弱まる時期です。

この時期の子供は学校に通い始め、社会規範や知識の獲得、友人、趣味、興味があることなどに力を注ぎます。

社会的なスキルやコミュニケーション能力の獲得が課題となります。

自我や超自我が確立する時期でもあります。

 

 

(5)性器期(思春期以降)

 

性的衝動が強くなり、成熟する時期です。

これまで欲動は自分に向けられていましたが、異性に対する性的関心を持つようになります。

また、他人の幸福にも関心を持つようになります。

ここまでの発達段階が健全なものであれば、バランスのとれた人格が表面化してきます。

しかし、いずれかの段階が満たされていなかった場合には、その段階への固着が表面化することがあります。

 

 

以上が、フロイトが提唱した「心理性的発達理論」の概要です。

 

この理論の是非については、様々な議論が絶えないことも事実です。

しかしながら、私たちの人格形成の過程を分析するにあたり、気づかされることは多いはずです。

 

カウンセラーは、クライアントのどの段階に“傷つき”や“コンプレックス”が存在しているのかを、しっかりと見極めることが必要です。

それと同時に、自分の中にあるものにも目を向け、自分自身を知っていることが大切なのではないでしょうか。

 

う~ん、「精神分析」はなかなか深いですなぁ(`・ω・´)ゞ

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

 


 

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