ゲームは繰り返される/言語科学心療士養成講座(2017/3/23開催)

こんにちは!

昨日、第7回目の「言語科学心療士養成講座(上級クラス)」を開催しました。

参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

 

今回は、以下のテーマについて講義を行いました。

・再決断療法(動画視聴)

・交流分析の理論「ゲーム」「ラケット感情」

 

 

今日は、「ゲーム」と「ラケット感情」について、簡単に説明したいと思います。

 

 

1.ゲーム

 

(1)ゲームとは

他者との間で繰り返し行われ、最後に不快な気分を味わうやりとりのことです。

そんなやりとりがなされるときには、必ずと言っていいほど、“値引き”や“裏面交流”が存在しています。

 

(2)ゲームの特色

・繰り返される

・「A(アダルト)」の気づきなしに行われる

・その人に特有の不快な感情を味わって終わる【ラケット感情】

・表面的なものと心理的なものの、二重の交流が行われる【裏面交流】

・驚きや混乱の瞬間を含んでいる【役割の交替】

 

(3)ゲームの役割

ゲームは、以下の3つの役割を取る人々の間で展開されます。

「迫害者」…他者を自分より低い立場にあり、OKではないとみなす。(他者を値引き)

「救助者」…他者を自分より低い立場にあり、OKではないとみなす。(他者を値引き)

「犠牲者」…自分自身を他者より低い立場に起き、OKではないとみなす。(自分を値引き)

 

 

ここで、一つ事例をあげましょう。

夫婦である肉子と肉雄のやりとりです。

 

肉子「あー、忙しい。洗濯も、掃除も、皿洗いもしなくちゃいけない…」【犠牲者】

(心の声:肉雄が手伝ってくれたらいいんだけどなぁ)← 裏面交流

 

肉雄「よし、僕が皿洗いをしてあげよう!」【救助者】

(心の声:まったく肉子は僕がいないとダメなんだから)← 裏面交流

 

<10分後>

 

肉子「あー!なによ!こんないい加減な洗い方をして。肉雄は使えないんだから」【迫害者】← 役割の交替

(心の声:やっぱり自分でやるべきだった。他人は頼りにならないんだわ)← ラケット感情

 

肉雄「なんだよ…だったら最初から自分でやればいいのに」【犠牲者】← 役割の交替

(心の声:助けた僕がバカだった)← ラケット感情

 

ゲームが行われそれぞれが役割を演じている時、その人は“今ここ”にはおらず、過去に決断したやり方を再演しています。

そして、最後には自分にとっておなじみの不快感情(ラケット感情)を味わい、自らの決断(信念)を強化していくのです。

 

 

(4)なぜゲームを演じるのか?

・ストロークを得るため(人は刺激がないと生きていけないのです)

・自分の人生の立場を再確認するため

・自分の信念(人生脚本)を正当化するため

・自分にとっておなじみの不快な感情(ラケット感情)を得るため

・時間の構造化を行うため(何もしないよりは刺激を得ようとします)

・現状維持のメカニズム(今までと違う交流パターンを取ることには不安があるのです)

 

 

ゲームには、以上のような特色があります。

私たちは、社会生活を送る以上、他者との関わりを避けることはできません。

時には、意図せずともゲームに巻き込まれることもあるかもしれません。

 

大切なことは、ゲームに気がついたら、いち早くそこから脱出することです。

そのためには、自分が行っているゲームに気づくこと必要です。

自分を「A(アダルト)」の自我状態でしっかりコントロールしましょう。

最も大切なのは、「値引きをしない・させない」「裏面交流をしない・させない」ことです。

 

 

 

2.ラケット感情

 

(1)ラケット感情とは

ゲームの終わりにその人が経験する、なじみ深い不快な感情のことです。

例えば、罪悪感や劣等感、後悔、混乱、怒り、悲しみ、無感情など、その内容は人それぞれ独特のものです。

 

(2)ラケット感情の特色

ラケット感情は、その人が育った環境で、感じることや表現することを許可されなかった感情の“代理”として使われたものです。

例えば、子供が腹が立っている時に、“怒り”の代わりに“悲しみ”を使うような場面が想像できます。

怒りを表現すると両親から受け止めてもらえず、代わりに悲しみを表現した時、両親から慰めてもらえたのです。

このように、子供は、どのような感情が許可され、どのような感情でどのようなストローク(刺激)が引き出せるかを直感的に学びます。

そして、それをストロークを得る手段として使い続けるのです。

 

(3)ラケット、ラケッティアリング

ラケット感情を伴う交流のことを、「ラケット」または「ラケッティアリング」と呼びます。

ゲームとラケットの違いは、役割の切り替えがあるか否かという点にあります。

他者との間で行われるゲームにおいては役割の切り替えがあるのに対し、自分の中で行われるラケットにはそれがありません。

 

 

 

以上、簡単ではありますが、「ゲーム」と「ラケット感情」のエッセンスを説明させていただきました。

今後、再決断療法などの学習を深めていくにあたり、これらの内容には重要な点が含まれています。

しっかりと理解しながら勉強していきましょう(`・ω・´)ゞ

 

 

 


 

はあと・ステーションでは、熊本で22年の実績を持つ心理カウンセラーが、あなたを親身になってサポートします。

月曜日は無料相談を受付中!

うつ等の心身の健康、仕事・育児・離婚・介護のお悩み、人間関係や金銭の問題など、何でもお気軽にご相談ください!

 

また、心理学や心理療法、カウンセリングに興味がある方や、自分の人生をより充実させていきたいとお考えの方に、「心理カウンセラー養成講座」「くまもとこころ塾」「ワークショップ」「ひふみ会」などのメニューをご用意しています。

 

私たちは、一人でも多くの方が、自分らしく、楽しく、幸せに生きていけるよう、全力で貢献していきます!

 

★ お問い合わせはコチラから → http://hearts-st.jp/contact

 

コメントを残す

コメントを投稿するにはログインしてください。