こんにちは!
昨日、第7回目の「言語科学心療士養成講座(上級クラス)」を開催しました。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
今回は、以下のテーマについて講義を行いました。
・再決断療法(動画視聴)
・交流分析の理論「ゲーム」「ラケット感情」
今日は、「ゲーム」と「ラケット感情」について、簡単に説明したいと思います。
1.ゲーム
(1)ゲームとは
他者との間で繰り返し行われ、最後に不快な気分を味わうやりとりのことです。
そんなやりとりがなされるときには、必ずと言っていいほど、“値引き”や“裏面交流”が存在しています。
(2)ゲームの特色
・繰り返される
・「A(アダルト)」の気づきなしに行われる
・その人に特有の不快な感情を味わって終わる【ラケット感情】
・表面的なものと心理的なものの、二重の交流が行われる【裏面交流】
・驚きや混乱の瞬間を含んでいる【役割の交替】
(3)ゲームの役割
ゲームは、以下の3つの役割を取る人々の間で展開されます。
「迫害者」…他者を自分より低い立場にあり、OKではないとみなす。(他者を値引き)
「救助者」…他者を自分より低い立場にあり、OKではないとみなす。(他者を値引き)
「犠牲者」…自分自身を他者より低い立場に起き、OKではないとみなす。(自分を値引き)
ここで、一つ事例をあげましょう。
夫婦である肉子と肉雄のやりとりです。
肉子「あー、忙しい。洗濯も、掃除も、皿洗いもしなくちゃいけない…」【犠牲者】
(心の声:肉雄が手伝ってくれたらいいんだけどなぁ)← 裏面交流
肉雄「よし、僕が皿洗いをしてあげよう!」【救助者】
(心の声:まったく肉子は僕がいないとダメなんだから)← 裏面交流
<10分後>
肉子「あー!なによ!こんないい加減な洗い方をして。肉雄は使えないんだから」【迫害者】← 役割の交替
(心の声:やっぱり自分でやるべきだった。他人は頼りにならないんだわ)← ラケット感情
肉雄「なんだよ…だったら最初から自分でやればいいのに」【犠牲者】← 役割の交替
(心の声:助けた僕がバカだった)← ラケット感情
ゲームが行われそれぞれが役割を演じている時、その人は“今ここ”にはおらず、過去に決断したやり方を再演しています。
そして、最後には自分にとっておなじみの不快感情(ラケット感情)を味わい、自らの決断(信念)を強化していくのです。
(4)なぜゲームを演じるのか?
・ストロークを得るため(人は刺激がないと生きていけないのです)
・自分の人生の立場を再確認するため
・自分の信念(人生脚本)を正当化するため
・自分にとっておなじみの不快な感情(ラケット感情)を得るため
・時間の構造化を行うため(何もしないよりは刺激を得ようとします)
・現状維持のメカニズム(今までと違う交流パターンを取ることには不安があるのです)
ゲームには、以上のような特色があります。
私たちは、社会生活を送る以上、他者との関わりを避けることはできません。
時には、意図せずともゲームに巻き込まれることもあるかもしれません。
大切なことは、ゲームに気がついたら、いち早くそこから脱出することです。
そのためには、自分が行っているゲームに気づくこと必要です。
自分を「A(アダルト)」の自我状態でしっかりコントロールしましょう。
最も大切なのは、「値引きをしない・させない」「裏面交流をしない・させない」ことです。
2.ラケット感情
(1)ラケット感情とは
ゲームの終わりにその人が経験する、なじみ深い不快な感情のことです。
例えば、罪悪感や劣等感、後悔、混乱、怒り、悲しみ、無感情など、その内容は人それぞれ独特のものです。
(2)ラケット感情の特色
ラケット感情は、その人が育った環境で、感じることや表現することを許可されなかった感情の“代理”として使われたものです。
例えば、子供が腹が立っている時に、“怒り”の代わりに“悲しみ”を使うような場面が想像できます。
怒りを表現すると両親から受け止めてもらえず、代わりに悲しみを表現した時、両親から慰めてもらえたのです。
このように、子供は、どのような感情が許可され、どのような感情でどのようなストローク(刺激)が引き出せるかを直感的に学びます。
そして、それをストロークを得る手段として使い続けるのです。
(3)ラケット、ラケッティアリング
ラケット感情を伴う交流のことを、「ラケット」または「ラケッティアリング」と呼びます。
ゲームとラケットの違いは、役割の切り替えがあるか否かという点にあります。
他者との間で行われるゲームにおいては役割の切り替えがあるのに対し、自分の中で行われるラケットにはそれがありません。
以上、簡単ではありますが、「ゲーム」と「ラケット感情」のエッセンスを説明させていただきました。
今後、再決断療法などの学習を深めていくにあたり、これらの内容には重要な点が含まれています。
しっかりと理解しながら勉強していきましょう(`・ω・´)ゞ
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